好きって、伝えたら




あまり話すこと無く、電車を乗り継ぎ、夕空のマンションに着いた。


夕空の家にお邪魔するのは久しぶり…


風邪を引いて呼び出されて以来。



「お邪魔します…」


『うん』



久しぶりの夕空の部屋は、相変わらず殺風景…


部屋にあるのはベッドと、ベッド横の小さな机とスカスカの本棚…


床に座った夕空はアタシに手招き…


鞄を置いて近づくと夕空は足を開いた…


前に座れってこと?


とりあえず、前に座ってみると夕空はアタシを後から抱きしめてきた…



「夕空…?」


『ちょっと疲れたから…
しばらくこうされてて…』



すると、ぎゅっとアタシを抱きしめた…


そう。


夕空は以外にも甘えん坊…


いつもはクール気取りなのにね?


肩に顔を乗せられて、びくっと身体が反応する…



『大丈夫…そんなことしないから』


「…うん」


『好き…』


「あたしも…」


『あたしも…なに?』


「夕空が好き」



言わせないでよ…恥ずかしい。