しばらくして美眞が足を止めた場所は、何にもない空き地だった。 『ここにあったんだってさ。 顔も覚えてない家族の家』 沈んだ声… きっと、美眞がまだ少しだけ愛されていた場所。 そして、家族がバラバラになった場所。 顔さえ、わからないんだよね。 『大嫌いな場所のハズなのに、こうしてたまに着てしまう。』 「…」 やめて… そんな顔しないで。 美眞の手首をぎゅっと掴む…