「もう、好きじゃない。」

そうやって思いっきり突き放した千里の瞳は悲しさに揺れている。

男の子のくせになんでそんなに 涙もろいんだろう。

なんで、別れを告げているのは千里なのになきそうなの??

うつむいてた顔を上げれば目が合う。

のどの奥に詰まった疑問がどうしてもいえない。

そう問えば、何でか知らないけれど傷が深くなる気がした。

意を決したようにもう一度。

「俺と別れてください。」

深々と下げる頭。もう一度告げられた言葉にもう駄目だと察する。

一呼吸おいて作り笑いをする。

「好きじゃないならいいよ。」

目頭が熱くなる、涙を流すのに耐える。

「今までありがとう。」

「あぁ、」