F side

――次の日。


「ねえ、なんで!?」


バアン、と机を叩く音にメンバーが一斉にビクッとする。


「ちょ、太輔、落ち着いて…」


昨日、俺らはメンバー公認カップルになったわけで。

その後、北山を俺の家に誘ったけど、何もナシ。

メンバー公認になったら少しはキスとかハグとか出来るかな、なんて思った俺が甘かった…。

そして冒頭。


「俺はこんなにも好きなのに!!!」

「ちょ、みんなに聞こえてるから!」

「ガヤさん欲求不満なの?」

「キタミツがいるんじゃ…」


俺のあまりの乱れように動揺が隠しきれないメンバー。

ここに北山がいないのが幸いだ。


「その北山さんと進展がないんですって。」


俺の代わりにわたがみんなに説明してくれる。


「ええ!?意外……」

「もうやることやってるのかと…」


「シてねぇよ!!!」

「こら!太輔!」


と、そこに。


「おはよ、なんか騒がしいけど…どした?」


ご本人様登場。

そして、素直な末っ子たちの顔を見て嫌な予感。


「みつ!」

「ん?」

「みつってガヤさんとまだエッチしてないの!?」

「…っ、は!?」

「ちゅーもしてないの!?」

「手、繋いだの!?」

「ハグは!?…あ、昨日見たか」


見事にやってくれました。


「……っ、」


黙り込んじゃう北山。

わたに助けを求める、けど。


「あはは……」


なんて苦笑い。

……どうすんの、これ。