2-1 【目覚めの朝】




ピー ピー ピー ピー

目が覚めると、知らない天井が見えた。

いお
(全身が痛い……、ここは、どこだ?)

〜市民病院・・・朝〜


看護婦
(大丈夫かしらあの子、もう数日意識が戻ってないわ………神崎いおくんの病室わっと……。)

コツコツコツコツ

いお(ん、誰か来たな。)

ガラッ


看護婦「おはようございまーす、かんざきいおさんー」


いお「お、おはようございます。」


看護婦「……………………」


いお(??、いつまで黙ってるんだろう、13秒は経ってるのに……。)


看護婦「いお……くん?」

いお「はい?」

【看護婦さんは、ものすごく驚いた様子で目を何度もこすり、ほっぺたをつねり、これが現実ということを認識してから、我に帰り、院長に報告した】

ガラッ

院長「いおさん?!、身体の調子は??以前の記憶は覚えているかい?」

いお「落ち着いてください、なにも問題ないです。」

院長「ああ、すまない、君は約2週間、意識が無かったんだ。驚いたよ。」

看護婦 「朝、おはようございますって返された時、私倒れそうでした。」

院長 「僕も驚いたよ、生存者がいないほどの事故で君だけが…………、君に伝えておかなければならないことがある、あの雪崩の日……」

いお 「知ってます、あの、もう退院しても大丈夫ですか?」

院長「え?ああ、君の様態はほとんど軽傷だからできるよ、でも、大丈夫かい?」

いお「はい、それではこれで。いままでありがとうございました。」



【僕はこれからどうしよう。】



おうか母「いおくん!!」

いお「ん?」

おうか母「身体大丈夫??、いまちょうど御見舞にいくとこだったの、意識戻ったんだ……よかった。」

いお「あの……」

おうか母 「??、ああ、いおくん、自分を責めないで、自分の娘を若くして亡くすのはすごく悲しいけど、誰も憎めないよ、
いおくん、今日からうちに来なよ?」

いお「……けど」

おうか母「いいから、1人じゃ寂しいでしょ?」

【こうして僕はおうかの母宅に居候することになった、そして、お葬式や、お参り、忘れたいけど忘れたくない様々な記憶が増えていく。
僕は、学校に行かなくなった、事故以来、なにか行動を起こすのを躊躇う。おうかの親はいおくんの自由にしなさい。とはいうものの、僕自身、凄く惨めだった。】