1-2 【冷たい闇に飲まれ】




僕達はスキーに向かう中、みなで会話を楽しんでいた。

母 「おうかちゃんのお母さんたちも、一緒にこればよかったのに」

おうか 「私の母たちは共働きで仕事があって……」

母 「あら、そうなの、残念ね」

いお「まあまあ、いいじゃん、この車にそんなに乗れないし」

父「なんだとぉう!!俺のポルシェに文句を言うのか!!」

いお「ポルシェって……、moveじゃねぇか!!」

おうか「相変わらずお二人は仲良しねw」

母「見てると和むわ」

【長く会話していると、父が引きつった表情で車を停めた。】

父「おいおい、こんなとこで雪崩だぞ、先に進めやしねぇ!」

【皆、雪崩が起きている前方を見て不安になった】

母 「けが人はいないかしら?」

おうか 「救急車呼んだ方が」

いお 「落ち着け、サイレンの音が聞こえてきた。」

父 「ちょっと近くに行って、様子を見てくる。おまえらはここにおれよ。」

母「私も行くわ、2人とも、ここで待っててね」

いお「ちょ、ここにいたほうが」

おうか「そうよ!」

父「けが人がいるかもしれないんだ!」

いお「でも‥‥」

父 「それじゃ、いってくる」


【父と母は、車を降り、雪崩の被害にあった道路の方へ歩いていった】

おうか「大丈夫かな‥‥」

いお 「少し不安だな‥‥救急車はまだか!」

おうか 「私たちも行く?」

いお 「行こう。」


【おうかといお、ふたりは車から降りた】

いお「さっきからサイレンの音が近づいてないな」

おうか「どうしたんだろう‥‥」

【サイレンの音の方、下の道路を見渡してみると、雪崩で通れなくなり立ち往生してる救急車などが見えた。】

いお「なっ、下でも被害が!」

おうか「どうしよう‥‥」

いお
「とりあえず僕たちは目の前の雪崩の方に向かおう。」

おうか
「うん」



ドドドドドド

【突然、大きな音と共に大きな揺れが一帯に起きた、その後、雪崩が父、母達を襲う】


いお 「親父!母さん!!、逃げて!!」

おうか「私たちの方にも来る!」

いお「くそっ、間に合わない!」

おうか「いお!!!」
ドドドドドドドドドドドド


目の前が真っ暗になった、冷たい、意識が遠くなっていく、僕はここで死ぬんだ……





『絶望と希望』





ピー ピー ピー

いお(ここは……、どこだ……、僕は……確か、雪崩に巻き込まれて……
!!!!親父!母さん!おうか!)

???(ここにはいなよ。)

いお (君はだれ……?)


???(私?、私は世界の創造主、何かを創ったり、この世界のバランスを整えたり、何かを消したり、いろんなことをするんだよ。ちなみにここは君の心、精神の中。)

いお(ああ、俺は死んだのか。あの雪崩の後だ、生きてるはずがない、みんなも同じように)


???( 君は死んでなんかいないよ、君わね。 )


いお (え……、親父や母、おうかは?!)


??? (いま言ったでしょ?君は生きてる、死亡者93名、意識不明の重体1人、その意識不明の1人が君。)

いお (そんな‥‥ことっ‥‥て……)

???(はぁ〜、まあいいや、私があなたと話している理由、知りたい?、知りたくなくても記憶させるけどね)

いお(……???)

???(ズバリ!君は選ばれたんだよ、世界の約73億人の中の1人に!)

いお(選ばれた?……)

???(まあまあ、最後まで聞きなって、そうだなぁ、世界の創造主はある区分にわかれて私以外にまだ十数人いる、そして、私たちはある計画、世界のたった1人に、特別に器をギフトしようとね。あ、器って言うのは君たちの世界で言う、能力、力、願い、みたいなもんかな。。それで、その区分の中の一人を候補とし、その候補の中からまた一人を選ぶわけよ、それが君、『神崎いお』。)

いお(それで僕にどうしろと?)

???(だーかーらー、話は最後まで聞くもんだよ?、君は以前の記憶を覚えているかい?)

いお(うん‥‥スキー場にむかうとこで、雪崩にあって父、母、幼馴染みを失った。)

???(そう、君はその真実をどう受け止める?少なくとも希望とは感じないよね?)

いお (そりゃあ、絶望に決まってる、大事な人を失ったんだぞ!!)

???(そっか、あ、そろそろ時間だね、また近いうちに話に来るよ、それまでに自分が望むものを決めておいてね。まったねー)

いお(あっちょっ、待っ……)


【また、周りが暗くなっていく、意識が遠くなっていく……】











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