「俺、バスで帰るけど…くるみは？」


ケータイで帰りの時間を調べながら聞かれた。


『私は電車なんで…ここで』


入り口でたところで別れようとした。


「そっか。帰る前に連絡先教えろ」


ぶっきら棒に言いながら私に向かって手を出すから自分のアドレス画面を出して先輩に渡す。

私のケータイを受け取り自分のケータイに連絡先を入れ、さらに私のケータイも操作している。


「普通だったら送ってくのかもしれないけど…俺の女でもないし。とりあえず家ついたら連絡だけして」


少し嫌味な笑い方をしてケータイを返す。
言葉は悪いけど一応心配してくれているらしい。


『わかりました。別に襲われることなんてないから大丈夫ですけどね』

同じく嫌味っぽく返すと…”フッ”と笑って


「じゃーな。気をつけて帰れよ」


バス停方向に歩き出した拓人先輩に”ありがとうございました”と返事をし、私も駅に向かって歩き出した。