優しさがキズ

”へぇ〜”と自分で聞いてきたのにもかかわらず私の返事に興味なさそうに相槌した。

んー …拓斗先輩っなんか無愛想で怖いイメージだな。

”でも珍しい名前だな…”独り言のようにつぶやいたあと…

「くるみちゃんとか…可愛いな」


ーーーーードキッッーーーーー

いっ、今‼︎可愛いって‼︎‼︎
瞬輝先輩がニコッと私に笑いかけながら可愛いって‼︎‼︎

ヤバイ‼︎ドキドキする…たった一言なのに…
顔が熱くなるのがわかり、手に持っていたチューハイを急いで口にした。

そんな私に気付くことなく、みんなの会話の内容はもう違う話題になっていた。

”あの先生が恐い”

”この授業が面倒”

”テストの教科が多すぎる”

学年は違っても ビジネス科という繋がりで意外と話は弾む。