優しさがキズ



「かんぱ〜いっっ‼︎」

移動したのは近くの公園。未成年なうえに、学校帰りの制服姿の私達は外で飲むことくらいしか出来ない。

1度家に帰って着替えてきた伸也先輩が買ってきてくれた缶チューハイでとりあえず乾杯をした。
薄暗い公園のベンチ近くに座り込んでお酒やお菓子を広げる。外だけど10月の気温はそれなりに過ごしやすい。


「一応、自己紹介とかしとく?」

場を盛り上げる為に伸也先輩が言い出した。

自己紹介も、なにも同じ学校なんだし…とは思うけど目立つ先輩たちとは違って私のことなんて知るわけもないんだ。

無難に名前とクラスぐらいしか伝えることしかない。