〜夏目琉歌〜

8月3日暑い夏の夜21時に私は産まれた。

そう、産まれた時は元気だったんだ。

小学生4年生10歳の頃私は、胸が痛くなって倒れた。

いつの間にか病院に居た。

病院の先生とお母さんとお父さんに個室に連れられた。

先生「琉歌さんのお母様とお父様。落ち着いて聞いて下さい。」

お母さん、お父さん「はい。」

先生「琉歌さんは、特発性心筋症と言う原因不明な心臓病の病気です。」

えっ…?どう言う事?私死んじゃうの…?

お母さん、お父さん「それは…どう言う病気なのですか?!」

先生「それは、ですね……」

私は、ショックで何も聞けなかった。

そして、小学5年生の時の夜に、お母さんとお父さんに呼ばれた。

「何?お母さんとお父さん」

お母さん「貴女を捨てようと思うの。」

「えっ…?なんで…?」

お父さん「お前が身体が弱いからだ!すぐ死ぬしな。産んだ意味なんてなかったんじゃないのか?」

お父さん「ほら、50万やるから出て行け」

「えっ…?やだよ!出て行きたくないよ!ねぇ、お母さん!!!」

お母さん「ギャーギャー泣いて弱い子は居らないわ。」

バタンッ

玄関の外へと投げ出された。

それでも私は、お母さんとお父さんと一緒に暮らしたかった。

「ねぇ、泣かないから開けてよぉ…。お願いだから」

ガチャ

お父さん「っせえな!」

ドンッ

脚でお腹を蹴られた。

「い、痛い」

お父さん「帰ってくんな」

怖い…。痛い…,でも諦めたくなかった。

「ねぇ…お願いします」

お父さん「っせえな!」

パチンッ
ドンッ

私は、お父さんに平手打ちとまたお腹を蹴られた。

「ゲホッゲホッ」

お父さん「早く何処かに行け!!次はお前どうなるかわかるだろうな?」

お父さんじゃない顔をしていた。

私は怖くなり家から離れて、公園で泣きながら座っていたら。誰かに声をかけられた。

???「あらっ、可愛い女の子が1人で泣いてどうしたの?」

「あ、あのねッ…ウッ…」

???「落ち着いて、落ち着いて!あ、そうだ!寒いからおばちゃんの家着て話そ。ねっ!」

「う、うん。」

私は、おばちゃんに着いて行った。

おばちゃん「ここだよ!上がってね!」

「あ、ありがとう御座います。」

思わぬ以上に広かった。

おばちゃん「はい。ココア!」

「ありがとう御座います。」

おばちゃんが作ったココアは甘くて暖かかった。

おばちゃん「お名前と歳はいくつなの?」

「え、えっと!夏目琉歌。今は、10歳です。」

おばちゃん「そうなのぉ!おばちゃんは頴川和代(エガワカズヨ)50歳。で、琉歌ちゃん何があったの?おばちゃんに教えてくれるかな?」

「あのね、私身体が弱いくて泣き虫だからお家から追い出されたの。」

おばちゃん「可哀想ねぇ。で、琉歌ちゃんはお病気なの?」

「心臓病なの。」

おばちゃん「あらっ、そうなのねぇ。可哀想ねぇ。それじゃぁ!おばちゃん琉歌ちゃんを引きとってあげる!」

「えっ…!本当に!?」

おばちゃん「本当にっ!」

「やったー!おばちゃんありがとう!」

おばちゃん「笑顔可愛いわねぇ!」

「エヘヘ。あ、そう言えばおばちゃん!これ、お父さんとお母さんに貰ったんだけど…」

私は、おばちゃんにお金が入っている封筒を渡した。

おばちゃん「お、お金?!」

「うん!50万円入ってるよ!何かに使うの?」

おばちゃん「これは、琉歌ちゃんの将来のお金。だから琉歌ちゃんが持っているのよ。」

「うん!分かった!」

私は今暮らしている大家さんに引き取って貰った。

楽しいのに…。お父さんとお母さんの言葉が何回も頭の中に響いてくる。

『弱い子は居らない。』

それから泣いたら弱い子なんだって思ってる。

公園では皆が笑顔だったのに…。

砂遊びしたりしてっ笑いあったのに…。

それから、自分自身の事が嫌いになった。 

学校では、ありのままの心と自分が出せない。

だって…一人になるのが怖いから。

強くなったらお母さん達と一緒に暮らせると思ったから。

何故強くそう思うかってよく病院の先生に言われる。

それはね、私を産んでくれたから。
陣痛って世界で1番痛いんだって。
その痛さを耐えて私を産んでくれた。
お母さんとお父さんの愛情で私は、産まれてきた。私、今でもお母さんとお父さんが好きなんだ。会える日を願って今、強く生きてる。


これが私の過去。