就職先の希望だとか目標だとかは特別なかった。

だけど、漠然と夢を見ていた。

写真家になりたい。

世界中を飛び回っていろんな景色を撮るんだ。

そんな若いころ特有の夢見るような日々が、この先もずっと続いていくものだと信じて疑わなかった毎日。

今、彼女はその日々の真っ只中にいる。