私、先生と付き合ってます。

私は早足で教室に向かった。

おはよーと飛鳥が声をかけてきた。

「今日はギリギリだね~」って。

うんとしか私は言わなかった。

何とか先生も来て、HRが始まった。

けど…私の頭のなかは相田主将ばっかりで。

あまり授業に集中出来ていない…。

ダメだなぁ~自分に言い聞かせて集中するんだけど…やっぱりムリ。

「相田主将、大丈夫かな…」

思わず口に出ていたようだ。先生に睨まれた。
私はまた気づかないふりをした。

あっという間に午前の授業は終わった。

昼休みー

ケロッとした顔の相田主将が顔を覗かせた。

「三咲ちゃーん。お弁当一緒に食べよう」って。

元気そうな相田主将を見て、私は少し、ホッとした。

「体、大丈夫ですか?」と聞けば、反則級の笑顔で、「うん、心配してくれてありがとう」と頭を撫でられた。

私と相田主将は向かい合って座り、いつものようにお弁当を食べ始めた。

飛鳥は彼氏と食べると教室を出ていった。

私と相田主将はくだらない話で盛り上がってた。

「そういえば…三咲ちゃんさぁ、有名らしいょ!!」なんていきなり言われた。

なんのことかわかんなかったけど、どうやらこないだの教科書を貸した時のことらしい。

確かに言われてみれば、教科書借りに来る子増えたかな?

私の教科書で授業受けた子は成績が上がると言うジンクス?みたいなものがあるらしい。

「同じ学年だったら俺も絶対借りに来たのに…」なんて言う相田主将。

私は苦笑いしか出来なかった。

「何でなんですかね?」と私が聞けば、「あのね、教科書の書き込み凄いキレイなんでしょ?色ペンでポイント、ポイントをしっかり抑えてあって…。そんな教科書みながら勉強出来たら点数も上がりそうなんだって。ほんと、羨ましい…」と相田主将は言った。

なるほどね!そーゆうことか…。

「私は、先輩が羨ましいですよ?」なんてお互いに褒めあって笑ってる。

相田主将と過ごす時間は凄く楽しかった。

五、六時間目もあっさり終えた。

あーあ、今日部活休みなんだよな…何しよう?

私はすることが思い付かず、ただぼんやりと席に座っていた。

いきなり教室のドアが開いた。

ガラガラー

私は入り口の方をみる。

そこにいたのは紛れもなく先生だった。

「先生…!?」と私が驚いた顔で言えば、「今暇?」と聞かれた。

「はい。先生が部活を休みにするから…」と少し嫌みっぽく睨んでやった。

「悪かったな…」とホントに申し訳なさそう謝りながら、先生は私の頭を撫でた。

「ちょっと付き合って」と先生に言われ、私は鞄を持って先生と教室を出た。

どこに向かってるのか先生は教えてくれない。

けど、気づいてしまっていた。

理科準備室であることを。

ふと、先生が「資料整理頼むな」と私を見た。

そーゆうことか。

少し期待したのにな。 なんてね。私、何考えてるんだろう…

悶々とした気持ちで理科準備室に向かった。

ー理科準備室

狭い部屋にデスクが1つ。デスクにはたくさんの紙が散乱している上に、ありとあらゆる資料は出しっぱなしでそこら辺埋め尽くされている。

「はぁぁ」私は思わず大きめのため息をついた。


けど…妙に落ち着くのは先生の性格が出てるような空間だからだろうか?

薬品とコーヒーとタバコの匂いが入り交じる不思議な空間。

私は足でモノをどけながら、先生の前に座った。

「資料整理だけじゃ済みませんね。この部屋。片付けます」と私はとびきりの笑顔で言った。

「助かるぅ~俺、苦手なんだよね~」と先生は言って、イスに座ってしまった

私は心で軽く舌打ちをしながら、資料整理及びに掃除をした。

一時間くらいかけてやっとキレイに片付いた。

「ふぅ~終わった」と私は言って、先生を見ると、先生はお疲れ様と私にキスしてくれた。軽い触れるだけの短いキス。

すぐに離れていく先生に物足りなさを感じたのは言わない。

「コーヒー入れるよ」って先生はコーヒーをいれてくれた。

いつも家で飲むコーヒーより美味しく感じるのは先生がいれてくれたコーヒーだからだろうか?

「コーヒー美味しいです」と私が言えば、良かったと先生は笑ってくれた。

私たちは小さなデスクに向かい合って座り、コーヒーを飲みながら他愛ない会話をした。

いきなり先生はコーヒーをデスクに置き私の顔を見つめる。

そのエロさ全開の顔に心臓が早くなる。

いきなり真面目な顔して、「なぁ、お前、最近、他クラスの連中に教科書貸してるだろ?あれ、気に入らない…確かに、学年トップのお前の教科書使えば、成績上がるのかも知れないけど!!」と先生は言うと、デスク越しに私のあごをクイっと持ち上げてキスをした。

今度はすぐに離れるようなキスじゃなく、深くて長いキス。

数分後ーデスクが邪魔だといいながら先生は私を壁際に追い込み更にキスをした。

先生の熱い舌が口内をかき乱す。

「…ふぅ…うっ、う、あっあっ、」思わずそんな声が漏れた。

そんな私に先生は可愛いと声をかけた。

「ほんとはもっと触れたい…キスだけじゃ足りない…」と少し掠れた先生の声が耳元で熱く響く。

体は熱を持って熱い。

ダメだってわかってるのに…先生に触れてもらいたい。

「…触って?」気づけばそんなことを口走っていた。

「いや、我慢する。お前が卒業するまでは…」と先生は言った。

先生真面目だなぁ。

「…お願い。体、熱いの。これだけで溶けそう…」なんて少し強引に誘ってみた。

「学校だからな…」と先生は言って、優しく全身をなぞるように触るだけで我慢してくれた。

しばらくお互いの熱を感じあっていたが、

「そろそろ帰ろう。送るから…」と先生に言われ、少し残念な気がした。

けど…頷いた。

私は先生に車で送ってもらうことになり…

先生の横に座った。

先生は片手でハンドルを握りながら、反対の手を私の手に重ねた。

「これくらいなら大丈夫だろう」って。

私はそれだけでドキドキする。

先生はなれてるんだろうけど…私は初恋だし。

戸惑うことも多い。けど…こんなときに余計なことは考えたくない。

だから私は、先生の言葉にただ頷いた。

家についた。惜しみながらも、先生にお礼を言って、家に入った。

何も考えられなくなりそう…それでも私は復習のため、机に向かう。

…先生、ゴメンね…

先生の授業なのに…一番苦手で…

何度勉強しても理科だけは頭にあまり入ってこない。

けど…特進で学年トップの私がそんなことを言えるはずもなく、苦しんでる。