私、先生と付き合ってます。

学校についた皆に相田主将は解散を告げて、皆は帰っていった。

私と先生だけが道場に取り残される。

「おい!」といきなり先生に肩を掴まれた。

ビクッー

「…なぁ、俺も思ったけど、アイツのことカッコイイとか言うのは…残酷じゃね?」と先生は言った。

「相田主将ですよ?まだご褒美とか言わなかっただけマシだと思いますよ?」と私。

「まぁそうだな。アイツなら言い兼ねない…」と先生。

「相田主将に話したんです。先生と付き合ってるって…」と私が言うと、先生は複雑そうな顔をした。

「…そうか。俺もな、マネージャーに言っちゃった。三咲と付き合ってるって…」と先生は言った。

「なんだ~お互い様だね!あっ、けど、マネージャーと相田主将両想いっぽいから…二人にとっても複雑なんだろうね」と私が言うと、先生はああと笑った。

「もうすぐ夏休みだな」と先生は話を変えるように振ってきた。

うん。夏休みどうしようかな…。

「毎日はさすがにキツイだろうし、週2くらいでいいかなって思ってる。どうだろう?」と先生は言った。

「いいと思いますよ?」と私は少しそっけなく返してしまった。

「…そっけないな…」と先生は言う。

「すいません…。あまり会えないの寂しいなあって思ったんです!!」と私が言うと、先生は私の口をふさいだ

「あんまし可愛いこと言うな。我慢出来なくなる…。ただでさえ、ちょっとムカついてんだから…」と先生は言った。

「…ごめんなさい」と私が謝れば、「まぁいい。あんまりへこむなよ?」と先生は優しく頭を撫でてくれた。

ズルいよ…先生。

「ほとんど毎日俺は来るから会いたかったらここ、おいで」と先生は言ってくれて、私は頷いた

「先生、大好きです!!」と私は言って、逃げるようにその場を去った。

今はこれ以上そばにいられない気がして…。

先生…カッコイイなぁ。

モテるし。私、ホントに先生の彼女でいいのかな?

たまにすごく不安になる。

けど…先生の優しさが私の胸を締め付ける…。

恋愛ってこんなにも苦しいものなの!?

先生以外のこと…考えられなくなりそうだよ。けど…私は学生である以上、

部活も勉強も頑張らないといけない。

これで成績下がったりなんかしたら…それこそ怒られる。

私はこの日、勉強ももっと頑張ろうと自分に決めた。

大好きな先生のためにも。

翌日ー

「おはよーございます!!昨日はお疲れ様でした!相田主将…」と私は道場に入りながら声をかけた。

「おっはょ。珍しいね~自分から声かけてくるなんて…」と相田主将は言った。

おいで?なんて手を広げてくる。

正直ウザい。このまま相田主将の腕に飛び込めば、何となく罪悪感が生まれそうで険しい顔で睨む。

「…嫌?今日はそんな気分じゃないのかな~?」と相田主将は言うと、少し落ち込んだようなふりをする。

うっ、結局私、この行動に弱いみたい…。

仕方なく、相田主将の腕のなかに収まった。

「ありがとう…」って相田主将は私を強く抱き締めた。

「主将…先生がね、夏休みの練習週2くらいでいいかな?って言ってました」と私は言った。

「いいと思うよ。三咲ちゃんに倒れられるの辛いし…。それに大会終わったばっかだからゆるーく練習しよ?」と笑顔で言われて私は頷いた。

「なぁ、昨日はあれから、先生と話した?」と唐突に聞かれた。

「…どーゆう意味ですか?」と私が言うと、「いや、いいや…」と相田主将は言うと、練習を始めてしまった。

気になるけどこれ以上聞いちゃいけない気がして、聞くのをやめた。

しばらくして、「三咲ちゃーん」と呼ぶ相田主将の声にハッとして相田主将のところに言った。

「どうしました?」と私が聞けば、笑いながら、「ヤっちゃった…」と相田主将は言った。

見ると、流血している…。

うっ、私は失神しそうになる。いきなりそんな血なんて見れないよ!

って何したらそうなるの!?

私は慌てながらも、とりあえず、止血を試みる。

何とか布で抑え、保健室まで 搬送…。

けど…保健室はまだ保険医がいない。

私はとりあえず、先生に電話した。

先生なら学校に来てるはず…。

先生はすぐに私の電話に出てくれた。なので、保健室に来てもらえるように頼んだ。

電話を切ると、先生はすっ飛んできた。

「何しとったんや!」と先生は怒りながら手際よく治療している。

そんな先生に、「ごっめーん、司ちゃん」なんて笑ってる相田主将。

「笑い事ちゃうわ!!このアホ!!」と先生は怒りながらも、「ムチャしやがって…」と小さく呟いていた。

先生…ホントに相田主将のこと心配してるんだね。

「今日の放課後の部活は休みにする」と先生は言い出した。

「えー何で?これくらい平気だよ?」と相田主将。

「ふざけんな!!お前。アカン休みや!!お前と三咲ができひんのに誰が真面目に出来るんや!やらさへんからな!」と先生は言った。

「えーヤダ。練習したーい」と駄々こねる相田主将に、私は、「いいじゃないですか!相田主将休みましょ!たまには…大会も無事終わりましたし」と笑顔で言った。

そしたら、相田主将は「わかったよ。三咲ちゃんがそういうなら大人しく今日は休みにする」と言った。

先生の軽い舌打ちを私は聞かないふりをした。

「司ちゃん、今舌打ちしたでしょ?俺そーゆうの聞き逃さないんっすよ!!」と相田主将が笑うと、「喧嘩売ってんのか?お前の性格知ってるから我慢してやってるんだぞ?」と先生は言った。

二人ばバチバチのにらみ合いをしている。

「…あの…にらみ合いしてる時間ないですよ?もうすぐ授業始まります!!私、先いきまーす!!」と私は言い残して、保健室を後にした。