私、先生と付き合ってます。

ふと、スマホを見ると、先生からかなりの数のメールが…。

つい笑ってしまった。

心配性!?(笑)

「どした…?」と相田主将は聞いてくる。

「せっ、…彼氏からのメールが半端なくて…」と言うと、「まぁ、だよな…。他の男とデートなんて…気分よくないはずだもんな…」と呑気に返してくる、相田主将。

「はい…。仕方ないじゃないですか!!ねぇ!主将のこと大切なんだから!!」と私が言うと、抱き締められた。

「もぅ、可愛いなぁ~」って。


「ホントにありがとうな。キミがそばで笑ってくれるだけで頑張れるんだよ!」と相田主将は言った。


私、ドキドキしちゃう。

翌日騒がれるなんてこのときは考えもしなかった。

「…ゴメンな…頑張らせ過ぎたんだな。やっぱり練習量がハードだった…」と相田主将は辛そうに言った。

どうやら私がドクターストップかかったのを自分のせいだと思っているようだ。

「相田主将のせいじゃないですよ!私が勝手にやり過ぎただけですよ?皆に負けられなくて…相田主将にはいつもいい刺激もらってますから」と私は言った。

って…私達いつまで抱き合ってんのー!?

私は慌てて相田主将から離れた。

タイミング悪くか、飛鳥にあってしまい、声をかけられた。

「…二人とも…やっぱり付き合ってたんだぁー!」って。

横には彼氏らしき男子…。

「「違うってば!!」」私と相田主将の声はキレイに重なり全力で否定した。

けど…この状態を見て、はいそうですかと納得してくれるような感じではない。

「俺ねぇ、三咲ちゃんは可愛い後輩だし、頼りになりっぱなしで甘えてんのよ!部活では先輩で憧れの人だから…。けどね、三咲ちゃんとはそれだけ。俺は好きな人いるしね~」と相田主将は言って私にウィンクした。

「そうだよ!」と私は断言のように言う。

「…ほんと?」と飛鳥。

「うん…」と私が言うと、まだ不思議そうな顔をしていたが、飛鳥はそれ以上は何も言わなかった。

飛鳥たちは去っていった。

私がホッと一息つくと、「ごめんね~。俺の悪いクセで…チャラくて、すぐ人に抱きついたりすんの…迷惑だよね?」と相田主将が言った。

迷惑…ですよ!私はあなたみたいな人嫌いだし。

けど…そんなこと言えない。どころか、相田主将だから、許してしまう。

「…相田主将、私、チャラい人苦手です!!けど…相田主将だけは特別で…。なんか許してしまう…」と私が言うと、「もぅ、またそうやって可愛いこと言って~。俺が三咲ちゃんに惚れたらどーすんの?」と相田主将は笑いながら私の頭を豪快にクシャクシャした。

「…惚れないクセに…」

私はつい、トゲトゲしく言ってしまった。

先輩は驚いてた。だって今の言い方は…惚れてほしいって言ってるようなもの…。

なに考えてるのよ!私。私にはちゃんと先生という恋人が…。

「キミが司ちゃんと別れたら考えてあげるよ!」なんて嫌みっぽく返された。

めっちゃ恥ずかしい////

相田主将、意地悪だよ!別れるわけないの知ってて…。

「それとも別れられるように…俺と付き合っちゃう?」なんて言ってくる。

やっぱりチャラいじゃーん。

ちょっとカッコイイかも。って思ったのに…。

「冗談だよ!そんな泣きそうな顔しなくても…」と相田主将は言うと、今度は優しく頭を撫でてくれた。


翌日ー

いつも通り家を出た。

学校について、道場に向かおうとした。

けど誰かにいきなり腕を引っ張られて…。

つれてこられたのは校舎裏。

「なぁ?いい加減俺だけ見ときなよ!昨日、アイツと抱き合ってたって?キミは俺の女なんだよ?もう少し自覚してもらわないと困るなぁ~」と先生は言うと、いきなりキスをした。

「…はぁ、っ、うっ、…ん…ん」長くて苦しくてとろけそうに甘いキス。

「我慢ならない…」と先生は言うと、深く、何度もキスをした。

間に絡められる舌…。息が出来ない。

けど…堪らなくゾクゾクする。

「今回はこれで許してやる」と先生は散々キスをして言った。

私は何事もなかったように、道場に向かった。

道場ではすでに相田主将が練習していて…私は練習はしないけど、ただ道場で相田主将を見ていた。

体がやりたくてウズウズしてくる。

「少しくらいなら大丈夫でしょ!逆に出来ない方が辛いんじゃない?」と相田主将は私に言った。

「そうですよね!なら、一本お願いします!!」と私は言って、相田主将に相手をしてもらった。

朝練を何とか終えて私達は下駄箱に向かって歩き出した。

うん!?なんか騒がしい…。

「あの二人だよな?」なんて声が聞こえてくる。

あぁ、昨日のアレ見られてたんだ…。

てか、また騒がれてる…。別にいいけど。

私と相田主将は思わず顔を見合わせて笑ってしまった。

私達が下駄箱についたら、飛鳥がいて、おはよーと言ってくれた。

おはよーと返しながら、私と飛鳥は教室に向かった。

「やっぱり騒がれてるね~」と飛鳥が言う。

「まぁね。付き合ってないけど…やってることはカレカノに近いからしょうがないよね。あの人あんなキャラで誰にでもすぐ抱きついちゃうし…」と私が言うと、

「嫌いなのに…チャラ男…かばうの?珍しい…」と飛鳥が言う。

しまった。つい本音が…漏れた。

「私ね、相田主将のことすごく大切なんだ。だからチャラ男だけど、憎めないっていうか…」と私が言うと、「ふーん」と意味深に笑われた。

授業が始まった。

授業が始まれば私は真面目に授業を受ける。

あっという間に授業は終わった。

二時間目って…体育だっけ?着替えなきゃ…と立ち上がる。

そこに、「飛鳥ー」と呼ぶ男子の声…。私はそいつの方を睨み付ける。

怯んでる男子を見ながら私は笑いそうになる。

「どしたの?優くん」だって!

聞いてないよ…そんな親しい男子がいるなんて…てか、彼氏か!?紹介しろよな!

「日本史の教科書貸してくんねぇ~?」だって。

「…何で?」と飛鳥。

何でって忘れたからじゃないの!?ど天然…。

なんて思ってたのに…少し違う答えが返ってきた。

「こないだダチに貸したんだけど…まだ返してくれないんだよ。どうやら自分の持ってきて、人の忘れやがったらしくて…」だって。

ワォ。少し変わってる…。てか面白いやり取り…

「…ゴメン…持ってない。ウチ今日日本史ないし」と飛鳥は私の方を見た。

ちっ、コイツ…。

「私のでよければどーぞ。けど…終わったらちゃんと返してくださいね?」と私は言って、男子に渡した。

「ありがとう…」と男子は言うと、去っていった。

「ほら、飛鳥、次体育。早く着替えよ!」と私は言って、私達は急いで体操着に着替えて教室を出た。

グランドに出た私達。

夏なのに…外で体育?あり得ん。

ってまあ体育好きだけど!!

で、何すんだろう…。

って、嘘…サッカー!?

ナゼかサッカーだった。

私がもっとも苦手とする球技…。野球の方がまだましだった。

私は落胆する。それ見て笑ってる飛鳥。

チームわけ。飛鳥とは味方チームで、少し救われた。

飛鳥は球技全般得意としている。

動きも機敏で、パス回しもウマイし、相手を交わして攻めていく姿はカッコイイし、羨ましくもある。

それに…ゴールもかなり決めてる…。

私なんてただ走り回ってるだけなのに…。

何とか終わった。ウチのチームが勝ったものの、ほとんどの功績が飛鳥のため、複雑すぎて言葉がでない。

私は落胆したまま、教室に向かった。

教室で着替えを終えた。ふと黒板に理科室の文字…。

はぁぁ!?先生なに考えてるのよ!遅刻しろってこと?

体育の後、移動教室、ましてや理科室なんてかなり遠いのに!!

私の顔は険しくなる。舌打ちしながらブツブツ言ってた。

「…鬼だね!先生…」と飛鳥は言いながらに早々と理科の準備をしていた。

私も着替えを早々に終わらせ、理科の準備を持って理科室に向かった。

けど…理科室ってことは…実験!?と思うとワクワクしていた。でも本当は理科なんて大嫌いでかなり苦手。

中学の時なんか…赤点連発だった。

「先生もこんなときに理科室にしなくていいのにね~」と飛鳥は言う。

ホントだよ!めっちゃめんどい。私と飛鳥は早あるきで理科室に向かった。

ギリギリセーフ。何とか間に合った。

周りを見るとまだ全員が揃ったわけではない。特に男子なんてほとんど来てない…。

うん!?あの子早いな…。

てか、理科室でも寝るんだ…。ちょっと笑えた。

理科の授業も無事終えた。

「綾小路、後で理科のノート集めて理準まで持ってきて」と先生に言われてはーいと返事した。

「ドンマイ~」と飛鳥は言って、私の肩を優しく叩いて去っていった。

クソッ。何で私が!!めんどくさい…。

私は言われた通り、理科準備室に集めたノートを持っていった。

「ありがとう…。ご褒美ね」と先生は言うと、私にキスをした。

短いキスだった。それでも私はクラクラしてしまう。