「え?」
ジュニの言葉にティアは彼を凝視する。
ジュニの"夢"のことがあったからこそ、ティアは夢を見つけて向かってこれたようなものだ。
その"夢"に隠された物語がちらりと覗き、ティアの胸はどきどきと音をたてた。
「いやー、両親があんなだからオレも当然のごとく楽器やらされてさ。
オレは全然うまくなかったし、本格的に伸び悩んだのが中学生終わる頃だな。
で、これじゃ食ってけないと腹を決めて他の道を選んだ訳だ。
魔法やってる方が好きだったってのもあるけどな」
そう言ってジュニは肩をすくめる。
自信満々に夢を語るものだから子供の頃からの夢なのだろうとティアは思っていたが、そうではなかった。
ジュニがその夢を初めてティアに告げたのは、高校に入ってすぐのこと。
中学校の終わりに演奏家としての道を諦めたのなら、あの夢の宣言は本当に、抱いてすぐのものだったはずだ。
いや、もしかしたらあの瞬間に初めて夢を持ったのかもしれない。
誰にでもある話。
しかし。
「ジュニ先輩でもそんなことがあったんですね……」
なんでもこなす、校長の耳に入るほどのモテ男はそんなこととは程遠いものだと勝手に思っていたティアは認識を改めることになった。
ジュニの言葉にティアは彼を凝視する。
ジュニの"夢"のことがあったからこそ、ティアは夢を見つけて向かってこれたようなものだ。
その"夢"に隠された物語がちらりと覗き、ティアの胸はどきどきと音をたてた。
「いやー、両親があんなだからオレも当然のごとく楽器やらされてさ。
オレは全然うまくなかったし、本格的に伸び悩んだのが中学生終わる頃だな。
で、これじゃ食ってけないと腹を決めて他の道を選んだ訳だ。
魔法やってる方が好きだったってのもあるけどな」
そう言ってジュニは肩をすくめる。
自信満々に夢を語るものだから子供の頃からの夢なのだろうとティアは思っていたが、そうではなかった。
ジュニがその夢を初めてティアに告げたのは、高校に入ってすぐのこと。
中学校の終わりに演奏家としての道を諦めたのなら、あの夢の宣言は本当に、抱いてすぐのものだったはずだ。
いや、もしかしたらあの瞬間に初めて夢を持ったのかもしれない。
誰にでもある話。
しかし。
「ジュニ先輩でもそんなことがあったんですね……」
なんでもこなす、校長の耳に入るほどのモテ男はそんなこととは程遠いものだと勝手に思っていたティアは認識を改めることになった。



