新年を迎えればすぐ冬休みは終わり、学校が始まる。

ティアはそれまでの数日を趣味である魔法具作りに費やし、普段はできない自由な時間の使い方を満喫した。


そして来た冬休み終了日。
休みが終わった寂しさと友達に会える嬉しさを感じながら生徒達は列車に乗り込み学校へ向かうのだった。




雪が舞う中、列車は進んでいく。

空から降ってくる雪だけでなく、すでに地面に積もった雪までもが舞い上がり視界を白で埋める。

ホワイトアウトした景色を移す車窓に背を向けて座るティアは、いつもよりご機嫌で座っていた。
その手には5枚のカードがある。

ティアはそのカードを眺めてにやにやと笑っていたのだった。



「ハッピーニューイヤーティアー。
どうしたの?そんなにやにやして」


一人で笑っていたティアに素直に疑問をぶつけたのはユリア。


「ハッピーニューイヤー、ユリア。
ニューイヤーカードを眺めてただけよ」

「…にしては随分にやにやしてた…。
なんか気持ち悪かった…ティア……」

「よーハッピーニューイヤー。
ユールの言い方を丸くするのは不可能だなって去年再確認したからもう注意しねーぞ。よろしく」


ユリアの後ろから出てきたのはユーリとユール。
さらに二人の後ろにはアンジュとルカ、レインもいる。



「ティア?なんかいいことあった?」

「ユールの『気持ち悪い』はあながち間違ってなかったと思うけど」

「それについては僕もルカに同感ですね。
ですがみんな、まず『ハッピーニューイヤー』を言うのが礼儀というものですよ」

「私言ったもん!」

「俺も言った!」

「はいはいユリアとユーリが言ったのは分かりましたようるさいですね」

「「!!!!」」


冬休みを経ても変わらない様子の皆になんだか心が和む。