「おや、ティアだな?
随分と試験の平均点をあげてくれていると担当教師が喜んでいたぞ」


その声にティアが振り向くと、ステュアート魔法学校の校長でありガイアの弟、ティアの叔父であるイリアがにっこりと微笑んでこちらを見ていた。

心なしかイリアの顔がにやにやしているようにも見える。


「どうだ、また兄さんの熱烈な歓迎を受けたんだろう」

「ほんとひどかったわ。
お母さんがいなかったらいつ命日になってもおかしくないわよ」

「確かに頷けるな、それは。
ところで…ティアも年頃の娘だ、彼氏とか…好きな人とかはいないのか?」



にやにやしていた原因はこれか。
何故親戚というのはこういった話題が大好物なのだ。

ティアは心のなかでぶつぶつと呟く。


はあっとため息が出た。


「あの父親がいて彼氏なんか作れると思う?」

「今は寮生活なんだからチャンスじゃないか。
というか、ルーメンにいる間にそういう人ができるもんだと思ってたんだがな」

「これでも私かなりできたウィッチだと思ってるから。
できればやっぱり、女の子が憧れるようなハイスペック男子が夢よね」


私の返答にイリアが「それもそうか」と言って、笑って酒をあおった。