「……っティア!!大丈夫?!」

「っつーか大丈夫な訳ないだろ。
待ってろ、治癒魔法かけてやる」


すぐに駆け寄ってきたアンジュとルカ。

治癒魔法のお陰でティアの腹の痛みはすぐに退いていった。


「ありがとう、助かったわ。
みんながちゃんと避難させてくれたおかげでかなりやりやすかったわよ」

「そんな状態じゃなかったぜあれは!
無茶すんなよな!ばか野郎!」


ユーリにばか呼ばわりされてしまった。

ユーリにというだけで本当の馬鹿のような気がしてくる。



「ところで、どうするんです。これから」

「…あの話の流れだと…またあの龍と戦うってことだよね…」

「ちょっとそれヤバくない?!だめだって!さっきもあんなズタボロだったのに!」


ユリアのズタボロ発言はともかく、皆の心配は素直に嬉しい。
ティアは大丈夫だという意味を込めて口角をあげた。


「今年はちょうど全種族合同の暗黒大陸の魔物討伐があるの。
ドラゴンも各国に協力要請するみたいだから、たぶん中央国でこの件は話し合われると思うのよね。
そうなると、ことの大きさもあるしすぐには実行されないと思うわ。
それに、そうなったらその時は私一人じゃないし、手練れが何人もつくことになるし、大丈夫よ」