魔法学校の最強魔法使い( Ⅰ )

結局、走り出したユリア&レインペアは先に入ったはずのアンジュ&ルカペアを追い抜いてお化け屋敷を脱出。

そのアンジュ&ルカペアは途中でアンジュが腰を抜かし、ルカがお姫様抱っこで連れてくる事態になった。
そのためお化け屋敷を出る頃には二人とも顔を真っ赤にしていた。


「これはアンジュのお兄さんに知られたらまずいですねぇ」

「本当ね。
しかも実家あるの同じワシントンでしょ?
ルカ、新学期ちゃんと学校来るといいけど」

「恐いこと言うなレイン、ティア。
頼むから黙っててくれ、頼むから」



あのシスコンがこのことを知ったら、ワシントンで恐怖の嵐が吹き荒れること間違いなしだ。

ルカのため、というよりもワシントン住民のためにレインとティアはルカの懇願を受け入れた。


と、そこにやっとユーリとユールが出口から出てくる。
なんだか随分遅い帰還だ。


「…本当信じらんない…お化け屋敷なのになんであんな変なとこに入ってくの」

「ああいう舞台裏を見るのが楽しいんだって。
メイクしてるとことか、風出してるとことか面白いじゃん」


どうやらユーリは本当にお化け屋敷を"探検"していたようだ。
スタッフの控え室まで見ていたのなら遅くもなる。

というかお化け屋敷のルートからよくそんな場所に辿り着けるものだ。
ティア達は変なところに感心した。

と、その時。









「きゃあああああああ!!!!」

突然遊園地に不釣り合いな悲鳴が響き渡った。


「っ!行きますか、ティア」

「ええ!」


7人は悲鳴が聞こえた方向へ走った。