魔法学校の最強魔法使い( Ⅰ )

「すっごーい!雪だよ!初めて見た!」


窓の外に顔を出してそう叫んだのはユリアだ。
アンジュが聞いてみる。


「ユリアは雪、見たことないの?」

「うん!私、最南端マイム出身だからさ。
マイムって年中晴れなんだよね、雨時々降るくらいだし」

「ふえぇ…なにそれ、びっくりだよ。
わたしワシントン出身なんだ。夏蒸し暑くて、冬結構寒いの。
それなりに雪も降るんだ」


アンジュのワシントン出身という情報に反応したのはルカだ。


「あれ、アンジュ、ワシントン?
俺も」

「あ、ルカも?!」


アンジュとルカのワシントンは四季がはっきりしていて、ビルが立ち並ぶ都会ではないが、四季折々の景色を見に来る観光客が多く、有名だ。


「俺とユールはフォークから来たんだよな。
特徴ねぇぞ、あそこ」

「うん…冬も何日か雪降るけどそんな寒くないし、夏死ぬほど暑い訳じゃないし」


ユーリとユールの双子の故郷フォークは港町として栄えた経緯があり、軍港や商港が多いため経済が首都フィルディアの次に発展している大都市だ。
穏やかな気候は商業にも何かと便利だ。