相変わらずこの学校の施設はデカい。

試験会場である円形の競技場も馬鹿デカかった。
競技場内を6つに区切り、同時に試験対戦を行っていた。


その一角にいつものメンバーを見つける。


「遅いよー!ティア、アンジュ!」

「ごめんごめん、アンジュが渋ってねー」

「うぅ……だって、怖くてしょうがないんだもん」


ここまで来てまだ怖がるアンジュに、今度はレインが励ます。


「大丈夫ですよ。
人の何倍練習してきたんですか。
そんな人がダメだったら私達みんなダメダメですよ」

「ほら、私と同じこと言う」

「あなたは何でもできるでしょう。
そういう人に励まされても、人は同情にしか感じられないものですよ」


「…そうやって言うレインだって、そういう人の部類に入ると思うけどな……。
アンジュ、頑張って。
これ…ただの試験だから。必ず勝たなきゃいけないわけじゃないから」


誰の励ましよりもユールの言葉がアンジュにはいちばん心に素直に入っていったらしい。

アンジュは微笑んでユールに向かって頷いた。


「なんで?!なんでユールの励ましはOKで私の励ましはダメなの?!」

「仕方ないって。
ほら、今ルカの試合始まるぞ、見ようぜ」


事態が収集つかなくなる前に、ユーリはこの話題を終わらせた。