筆記試験が終わった昼休み。
いつものカフェでいつものように昼食を摂っていた。

ただ、いつもと違い、普段アンダンテにいるルカが今日はティア達のテーブルに一緒にいた。


「どうだった、筆記試験は」

「ああ、ティアのお陰でかなり良い点取れたぜ!
まじで助かった。
サンキュ!」


ティアに勉強を教えてもらったユーリは、試験でばっちり結果を出せたようだ。

ティアはよかったよかったでいいが、他の皆は気になることがまだ残っていた。


「そういえば…あなたが調べていた不正について……どうなりました?
大丈夫でしたか?」

「ティア…あの日ずっと犯人探ししてたって総合Aクラスの人から聞いた……。
危ないことなかった…?」

「犯人探しって……お前、そんなことしてたのか」


ティアは皆に魔法具を仕掛けてもらったが、総合Bクラスの分はアンジュに任せたため、ルカはこのことについて何も知らなかった。

ルカにアンジュが説明する。


「ティアね、不正した人のせいで順位落とされるのはまずいって魔法具使って校内中監視してたんだって」

「試験前に何やってんだ、こいつは…」

「試験前だからこそでしょう。
で、結果から言うと一年生に不正者は無し。
私達にはなんの影響もないわ。

他学年の犯人も偶然だけど発見したし、良い感じに終わったかしらね」

「犯人捕まえちゃったんだ…。
流石、ティアだね…」


一年生に絞るとか言いつつ結局他学年の犯人を突き止めてしまったティアに、呆れのこもった視線が向けられる。
そのことに関してはティアもやってしまったなと反省していたので、大人しく視線を受け取る。


「ま、それでこそティアだろ。
そうじゃなかったら逆におかしいぜ」

「そうですね。
でしゃばってもそれを対処するだけの力がありますから問題ないでしょう。

さ、明日から実技試験ですよ。
頑張りましょう、特にアンジュ」

「う、うん!」


─ティアはそうでなくちゃ、それで良いんだよ─


皆にそう言われた気がして気が楽になったティアは、実技試験もいいとこ見せようと意気込んだのだった。