2日後、筆記試験は無事終了した。


あの後、ベルの証言とティアの魔法具のお陰で、四年生のある男が浮上し、先生に捕縛された。

男はやはり、レベルの高い合宿に来るお偉いさんになんとか目をつけてもらうために、試験で高い点数をとろうとしていた。

そして、同じ事を考えた生徒に高い値段で売り、小遣い稼ぎをしようという魂胆だった。

その後も先生達が総力をあげて彼と取引した者を見つけ出した。



また、ベルを職員室に連れていった後、別の場所の魔法具に映っていたミナとフセインの会話を聞いてティアは知ったのだが…

ミナの提案で、一年生の試験問題と模範解答は1ヶ月前からフセインの家の金庫に仕舞われていた。
そのため、試験範囲を調整することが出来なかった先生達はなんとしても試験範囲を終わらせるべく奮闘した。


つまり、一年生で不正する者はいなかった。

というより、不正のしようがなかった。


ティアの心配は杞憂に終わったのだった。