合宿というのは、年明け後の3月に行われる、他校との合同合宿のことだ。

合宿は各クラス内の成績順位で行き先が違い、1〜6番、7〜12番、13〜18番、19〜24番、25〜30番で分かれる。
今現在、ティア達は皆1〜6番にいる。

そして、今回の試験で、合宿のときの成績順位が決まる。
1~6番の合宿地にはお偉いさんが就職の勧誘に来ることもある。

そのため、誰もがこの期末試験で良い結果を出そうと努力しているのだ。

しかし、こういう時にはどうしても不正をしようとする者がでてくる。


それを防ぐために先生達も試験問題の管理はかなり厳重にしていたが、それでも不正をする者が出てくるかもしれない。

もしそうなれば、余裕で1~6番に入れるティア達でも、不正をした者に押し退けられるかもしれない。

ある昼休みに話し合い、ティア達はなにがなんでも全教科満点をとるつもりでいこうと決めたのだった。


だが、なかなか予定も思うようにいかず、ユーリは部活の大会が試験勉強期間と重なってしまった。
まだ1年生だが実力のあるユーリは選手になる以外なかった。

そしてアンジュはやはり実技が思うようにいかず、対戦形式の試験でうまくいくか不安な部分がある。

皆と一緒に合宿に行けない危機が迫った彼らは、筆記、実技共に学年トップのティアに教えを請うたのだった。


勿論ティアに拒む理由もなく、ティアは勉強を教えることを承諾。


喜んだ二人だったが、試験間近という事ですぐ始まったティアのスパルタ指導に、二人の心は早くも折れそうになるのだった。