その様子に、ティアはほっとため息をついた。


「面白いでしょ」

「面白いっつーか…馬鹿なの？」

「みんな頭はいいんだけどねー」


まだユリアがどういう奴かという話で騒いでいる皆をルカはじっと観察する。

少しして、ルカはティアの顔を見上げた。


「…こんな奴らもいるんだな」

「世界中何十億、ルーメンも入れれば百億以上もいるなかで、こんな人はいないって方がないと思うわよ」

「それもそうか」


そう言って再びアンジュ達の方を見たルカの表情は穏やかで、ほんの少し口角が上がっていた。


「…お前らとつるむのも、面白そうだな」

「私だけじゃなくて、みんなに言ってあげなさいよ」


ルカはすっと立ち上がる。

言い合いをしていた皆は、突然立ち上がったルカを見つめる。

ルカが小さく口を開いた。


「……よろしく」


ぼそりと呟かれたその言葉に、ティア以外は皆驚いて固まる。

体の硬直が解けると、皆一斉に喋りだした。


「ホントか?!やったぜ！」

「よかったね、アンジュ！お友達だよ！」

「えっ…よろしくって言われただけじゃ……」

「お友達と受け取って大丈夫だと思いますよ」


ルカのお友達認定に祝福の声があがる中、一人場違いなことを言う者が存在した。