そうして待つこと数十分。

ティアは足元に軽い揺れを感じた。
すぐにファイに跨がり、空へ浮かび上がる。

次の瞬間、ちょうどティアが立っていた場所から、巨大な蛇が、子供部屋一つ分はあろうかという大きさの頭を突き出してきた。
そのまま立っていたらまるごと飲み込まれていたところだ。

蛇はティアには見向きもせずに真っ直ぐある方向へ進んでいく。
蛇の向かう先には、あの村があった。

こいつが依頼の魔物だ。
間違いない。

恐らく一度村を襲って、味をしめてしまったのだろう。


「ファイ、あいつの前に行きなさい!」


ファイに命令し、ティアは自分の魔具である剣を出して、自分と剣にそれぞれ強化魔法をかけた。

ティアとファイは巨大蛇の前に出る。


「突っ込んでいきなさい!」


巨大蛇は目の前に現れた邪魔者を排除しようと襲い掛かってくるが、ファイは難なくかわしていく。

巨大蛇の首の横まで来た時、ティアは躊躇なく剣を突き刺した。
そのままファイから巨大蛇に飛び移り、巨大蛇の首を切り落とす。

頭と体が切り離された巨大蛇はしばらくのたうちまわった後、ずしん…という大きな音をたてて倒れた。