魔法学校の最強魔法使い( Ⅰ )

「しっかしみんな見ない内に背伸びたね〜ユーリなんてこーんなだったのに」

「うるさい」

「でもそのときユーリ私より背低かった」

「確かにユーリは小さかったですねぇ…ですが、ティアだって変わりましたよ?
背がそうですね……10.4㎝くらい伸びましたか。
それに肌が綺麗になりましたね、あちらできちんと手入れをするようになったのでしょうね」

「お前…キモい」

「身長1㎜も違わず言い当てる辺り、レインは変わってないわね」

昔と変わらぬおしゃべりをする全国大会上位四人を、アンジュとユリアは呆然と見ていた。


「ティアってすごい人と知り合いなのね……」

「ホント、びっくり……」

「あ、ちなみに一番すごいのはティアだぜ。
全国大会一位はコイツだし、魔法資格も年齢制限に引っ掛かってるの以外全部持ってるし」

「「えっ!」」


アンジュとユリアは揃って目をまるくした。


「まぁ、ティアは強いよ」

「そうだ!だからティア、俺と勝負しろ!」

「無理よ、昼休み終わるし。
入学早々サボりはまずいでしょ」


ユーリの挑戦状をティアは遠慮なくぶった切る。
次の時間の先生は遅刻に特に厳しく、何人もの生徒が泣かされているという噂をキャッチしていたので、遅れるわけにいかなかった。


「それもそうだね、じゃね、ティア」

「では、また。
……ユーリは連れていきますから」

「うわっ離せお前!」

「あっ私も同じクラスだから、一緒に行くね」


喚くユーリをレインとユールが引っ張っていき、ユリアもそれについていった。


「ティアってすごいんだね……」

「そんな事ないわよ、行きましょ」


そう言って二人もカフェを出ていく。



この豪華メンバーの集いに見ていた生徒は興奮し、結果、学校中でかなりの数の遅刻者が出たのだった。