少しして、鐘が鳴ると同時に教室のドアがガラッと開き、ミナが入ってきた。


「はい皆、おはようございます！」


おはようございまーすと返事する生徒達に、ん！といい笑顔を見せる。元気な先生だ。


「今日から早速授業だからねー。
ちなみに今の時間は復習だから安心して」


教えられたのは、小学生でも知ってるくらいの常識だった。


人間達が住む"ルーメン"と、人間じゃない種族が住む"ネブラ"があって、ティア達ウィッチ族─魔法使い─はネブラにあるウィッチ国に住んでいる。

ウィッチはネブラに住む者達の中では魔法の扱いに長け、逆に身体能力や寿命などはほとんど人間と変わらない。

ネブラには他に、ヴァンパイアやウェアウルフ等他にも様々な種族が住んでいて、彼らもそれぞれの国を持っている。


又、ウィッチは自身の持つ魔力を使い、魔具に魔力を通し呪文を唱えることで魔法を使う。
魔具には必ず魔石と呼ばれる、魔力を持つ石がはめられていて、そこに魔力を流す。
魔具には杖、剣、楽器等、様々な形状があって、使う人に適した形状の魔具を使う。

ただ、魔法を使った行為には危険なものも多く、魔法資格と呼ばれる資格を取らないと出来ないことも多い。



ここまでを復習した後、ミナが「よし！」と言って勢いよく立ち上がった。


「じゃあ、魔法の練習しにいくわよ！座学ばっかりだと気が滅入るし！
早速体育館へ──」


キーンコーンカーンコーン………


「……時間なくなったから、各自でやってみてちょうだい…じゃあ授業終わりね……」


やる気満々だったミナは一気にどん底まで突き落とされていた。