教室に向かう途中、アンジュとユリアは、今まで料理をしたことがなく、アンジュは列車に一緒に乗っていた兄に、ユリアは母親に毎日朝ごはんを作ってもらっていたと話した。

食べることは二人とも大好きで、ティアがルーメンの料理について話すと目を輝かせて聞いていた。

夜集まる時間を決めた後、ティアとアンジュはクラスが違うユリアと別れ、教室の席に着いた。


「ねね、ティア。授業ってどんな感じかな」


アンジュの目は楽しみな気持ちの他に、不安も映していた。

ティアはアンジュを安心させるように微笑んだ。


「大丈夫、初めての授業なんだからそんな大変なことしないわ。
それに、ここの試験に受かって入ってきたんだから大丈夫よ。」


実際この学校の入学試験はかなり難しいと言われている。
魔法学校のトップと呼ばれ、様々な研究も行われていて、偉大な功績が沢山残っている。

そして、この学校を目指す者は多ければ、入学試験で落ちる者も又多いのだ。
今年の倍率は15倍だったが、過去には100倍を越えたこともある。

そんな学校に入学している時点でアンジュは十分優秀なのだ。


ティアの返事を聞いて少しほっとしたアンジュは「ありがと」といって微笑んだ。