「ちゃうから! ほんまに!」


「任せてや〜誰にもゆわんって。
じゃねー」


「いやーっちがうのにっ!」




…入学早々何コレ

明日になったら隣のクラスまで噂が広まってる感じのやつや


…ま、いっか。それで本人の耳に入ってくれたりでもしたら、ちょっとは意識してくれたりするかな?



って、ちがーう!


ブンブン頭を振って、響輝の笑顔を頭の隅っこに追いやった。





「裕未! かえろ」


「はーい、んじゃばいばい!」




裕未のクラスに行くと、彼女もさっそく友達が出来たみたい。



お互いのクラスの雰囲気やらを話しながら二人で帰った。





「あかね、同じクラスなんやし。
頑張りーや!」



別れ際、裕未がにやっと笑ってそう言った。



「え!?
ちがうってば!
好きちゃうって!」


「はいはい。じゃあまた明日」


「ちがうからな!
ほんまやでっ」



……もう。みんなしてなんなん?



好きちゃうし。

たぶん。


気になるだけやし。

うん。




「それを好きってゆうねんやろ」っていう裕未の声が聞こえた気がした。