「あかね!一緒のクラスやってんなー」
入学式が終わり、近くの席にいる女の子と自己紹介を交わしていると後ろから声を掛けられた。
その声だけでドキ、と高鳴る心臓。
できるだけ平然を装って、後ろを振り返った。
「なー。もういい加減飽きたし」
「まぁいいやん、よろしく!」
響輝がにこっと可愛らしい笑顔で笑う。
あー、にやける
あかんあかん。我慢我慢。
響輝は「また明日」と言って、男子たちと帰っていった。
「なぁ、あの人めっちゃかっこいい!
あかねちゃん仲良くていーなぁ」
「え!? いや別に、仲良くないで!
4年生からクラスが一緒やから」
「うわーいいなぁ。
あかねちゃん、あの人のこと好きなんやろー」
「えー!? なんでわかんの!?
あ、間違えた。いや、まぁ。はは」
「キャ〜!やっぱり。
いーなぁいーなぁ。
両想いやー!」
「いやありえへんから」
テンションたかっ!
つ、疲れる
近くの席の子ーー千鶴(ちづる)ちゃんは以外とお喋りな子。
しかもバレてもーたやん
うちってそんな分かりやすい?