せっかくおんなじクラスやのに



そう心の中で呟いた時、教室のドアが勢いよく開いた。



「遅れましたーっ」



叫びながら入ってきたのは、うちの三つ前の空席の人物。



「竹中響輝(たけなかひびき)くん?」


「はい!」


「入学早々遅刻とはやるなぁ」


「いや、だって、お母さんが起こしてくれなくてさー」


「自分で起きなさい!」


「いや絶対むり」




彼の登場によって一気に明るくなる教室。


響輝は走ってきたのか、額に浮かぶ汗を拭いながら自分の席に座った。