「…え?あかね?」
「なんで一人だけ?
てか、さっきまで男子たちと喋ってなかった?」
「いやなんか、さっきまで喋ってたけど、いきなり教室に押し込まれた。
あかねこそ、女子たちと喋っってなかった?」
「うちも、いきなり押されて…」
そう言いながらベランダの方を見ると、そこにはさっきまで大勢いたはずの女子が誰ひとりいなくなっていた。
「えっ、みんなどこいったん!?」
慌ててベランダへ駆け寄り扉を開けようとするけど、なぜか開かない。
窓も開かへんし、ドアも開かへん…
「な、なんで…?」
そう言えば、うちを突き飛ばす瞬間「告っちゃえ〜」とか言う声が聞こえてた気が……
はっとして響輝の顔を見る。
なぜか彼は俯いているだけだった。
…こんな状況で告白しろっての!?
無理があり過ぎると思うねんけど!
でも、せっかくクラスのみんなが機会を作ってくれてる…
いま、しかないんかな。
今言わないと、これからも絶対言われへんような気がする…
それに、誰かが先に言っちゃうんやったら内が先に言いたい。
恐る恐る響輝の方へと近付いて声をかける。
「響輝」
「…なに?」
そおっと俯いている響輝の顔を覗き込む。

