「いまのなし!なしなし!
忘れろっ」
「忘れろって…」
そんなこと言われても…
気になるに決まってるやん!
「うわーっ!あかねと竹中が見つめ合って顔赤くしてるぅ〜」
千鶴の大声が教室中に響く。
途端に集まるクラスの視線。
「まじで!?響輝〜お前、寺島こと好きなん?」
男子がうちを指差しながら、にやにやしながら響輝を茶化す。
「きゃー!あかねちゃん顔真っ赤〜」
「お前ら付き合ってんの!?」
「ち、ちがっ」
千鶴めーーー!!
許さんぞっ
「なぁ響輝、どうなん?」
「…」
聞かれても顔を赤くしながら何も答えない響輝を見て、少しほっとする。
…全力で否定されへんくて良かった
嫌な顔されたら絶対立ち直られへんから
そしてクラス中が盛り上がっているところへ先生が来て、騒ぎは一旦中断。
でもみんなの視線はチラチラと感じる。
うちは後ろを振り返って響輝の顔を確認したくてたまらん気持ちをグッとこらえていた。
そして放課後。
「なぁなぁ、あかねちゃんっ
ベランダでちょっとはなそーや」
「え、ベランダ?なんの話?」
「わかってるくせにぃ」
「あたしも話すっ」
「え、私も〜!」
クラス女子全員大集合。
そんなに!?そんなに珍しいもんなん?
「竹中はクラスってゆうか学年のムードメーカーやし、有名やん?
めっちゃかっこいいやん?
そんな人があんな顔真っ赤になってるとか気になるやろ!」
「あかねちゃんも好きなんやろ〜?」
「告白されたん!?」

