「むりや…」
「早くしないと誰かが先に告白しちゃうで？ 中学生とかさ、そんなよっぽどのブスとか嫌な奴に告白されへん限り大体付き合うって」
「ひいい！
なにその大人の意見！」
なんでそんな大人の意見出てくるん！？
いきなりどうしたんよ〜
「いやぁ嘘ちゃうって
だってさ、好きじゃない人でも告白されたんやったら付き合っとかな勿体ない、って思わへん？
まあ、好きな人がおるんやったら別やろうけど…」
「そんなもんかなぁ？」
「そんなもんそんなもん」
ということは…
もしうちが響輝に告白したとして
響輝に好きな人がおらんくって、うちがよっぽど嫌われてないかぎり
付き合えるってこと？
「顔赤くなってる〜あかねかわいっ
なに考えてんの？」
「妄想」
「えーきも！」
裕未みたいなこと言わんとってよ〜
「千鶴、響輝に好きな人おるか聞いてきてくれへん？」
「嫌やし。あたしあの人とあんま喋ったことないしさぁー自分で聞いてき？」
「え〜…」
気になる、けど聞くのが恥ずかしい。
いきなりそんなこと聞いたらばれちゃいそう。
「あたしも協力してあげるから！
とりあえず好きな人おるかどうかだけ聞いてきて！
ま、教えてくれるかどうかはわからんけど？」
「ひどっ！」
…たしかに教えてくれない可能性の方が大アリや
どうしよう…
"早くしないと誰かが先に告白しちゃうで？"
千鶴の言葉が頭をよぎる。
もういいや！
なんでもいいや！
とりあえず聞こう！
よし！
喝をいれて、自分の席に戻った。
