席に移動して座ると、後ろからグイっと髪の毛を引っ張られた。
「いたっ!」
いきなりなに!
髪の毛抜けるやんか
勢いよく振り返ると、意地の悪い顔をした響輝がニヤリと笑った。
「おまえさぁ。髪の毛長くない?
5年生ぐらいから切ってないんちゃうん。あー見てて邪魔やわ〜」
「はぁ?切ってるし
去年の夏に切ったし」
「1年前かよ!
そりゃこんだけ伸びるわな。
見てる方が暑苦しいし、切れば?」
「えー……じゃあ切らんとこ」
「おい!」
「そこうるさいっ」
『すんませーん!』
お互いに顔を見合わせて笑いあった。
もしかしたら
好き
かもしれない。
響輝の笑顔見たら、胸がキュンてする。
もっといっぱい喋りたいって思う。
これってやっぱり好きってことなんかな?
でも、もし告白して。
こんな普通に喋れなくなるんやったら
一生告白なんてするもんか

