プルルルル

プルルルル




「はい、もしもし佐藤です。」

「あ、俺、廉だけど。今電話平気?」

「うん、大丈夫。ちょうど今、帰って来たところだから。」

「そっか。
 昨日、陽一さんのお通夜だったもんな…。
 どう?ちゃんとご飯食ってる?」

「まあまあかな(笑)
 廉も私に何か用があって掛けてきたんでしょ?」

「うん、まあ…。
 こんな時にあれだけどさ…来週の俺らのコンサート来れそう?」

「うん、行くよ。陽一も楽しみにしていたコンサートだったから行かなきゃ天国で怒られちゃう(笑)」

「そっか。でもあまり無理すんなよ?また当日に連絡するわ。
 疲れただろうから、今日は早く休めよ?夜に悪かったな、じゃあまた。」


コンサート…か。
陽一も廉のコンサート凄く楽しみにしてたよね。
まさか陽一の好きなアーティストが従兄弟である廉の所属しているグループ『forever』だったとは思わなかったけど。

「そういうば、ずっと陽一のことばかりで廉のグループのこと、あまり知らなかったかも…。
 こうなるなら、もっと陽一に教えてもらえばよかったかな…。」


ふと私は、静かな部屋で一人呟いた。