次の日の朝、私は誰かの声によって目覚める。




とても心地のいい声。




優しくて、暖かい声。




まるで、彼のようなーーーーー




「葉音さん!朝ですよー!」




「あ…潤、ちゃん?」




「はい!潤です!」




朝から天使スマイル頂きました!




今日はハッピーな日になりそうだ。




いや、絶対なる!




こんな、笑顔から光が溢れる子と一緒にいたら、嫌でもハッピーな1日になるよ!




「んん〜!おはよぉ〜。可愛いよぉ〜」




潤ちゃんを抱きしめる。




別に、レズじゃないよ。




でも、こんな可愛い子がいたら抱きしめるしかないじゃない?




「あ、あの、葉音さん?準備しないと、学校遅れちゃいますよ?」




「んー。離れたくない…」




なんか、フワフワしてて、このまま寝てしまいそう…むにゃむにゃ




「ダメです〜!寝ないで下さい!準備しますよー!」




「…はーい」




本当は離れたくないと思いながらも、ベッドから出て、制服に着替える。




あ、そういえば、潤ちゃん学校どうするんだろう?




秀宴学園だったらここからバイクで5分ぐらいで着くから送っていけるけど。




制服を着替え終わって、顔を洗いに行って、リビングへ行く。




テーブルを見ると、お皿が並んでいて、目玉焼きと、ソーセージ、サラダにコーンスープが作ってあって。




「え!?これ、潤ちゃんが作ってくれたの!?」




「はい…すみません、勝手に台所お借りしました…」




先に椅子に座っていた潤ちゃんは、申し訳なさそうにちょっと口ごもる。




「全然だよ!ありがと、潤ちゃん!」




私は幸せ者だ。




こんな可愛い子に朝から起こされ、朝食まで作ってくれるなんて。




一生このままでいい!




なんて、一方通行すぎるけど。




「じゃ、頂きます!」




「頂きます!」




私と一緒に手を合わせる。




「おいしい!」




「本当ですか!よかったです!」




嬉しかったのか、白い頬が少しピンクに染まる。




目はぱっちり二重で、ぷるんとした唇。




サラサラで艶のある黒髪。




お人形さんみたい。




いいなぁ。




「あの、私の顔に何かついてますか?」




「え、あ、ううん!可愛い顔だなって思って!」




燈に負けず劣らず、愛らしい。




「可愛い顔ですか?それなら、葉音さんだって、とても美人さんです」




うふふと言って微笑む。




いや、待って。




私が美人なんてあり得ないから。




「ま、そんなお世辞はどうでもよくてさ!潤ちゃん、学校どうする?行く?」




お世辞と言うと、潤ちゃんは少し頬を膨らませた。




でも、学校に行くのかと聞くと、すぐに顔を真顔に戻して、少し黙る。




「多分、学校に行ったら無理矢理連れて帰らせられるような気がします。今日じゃなくても、その内…」




「そうだよねー。じゃ、家でゆっくりしてていいよ」




「いえ」




すぐ拒否された。




「私は、葉音さん達の学校に行きたいです!」




「分かった!私達の学校にーーーーーーえ。いや、え?」




私の聞き間違いだろうか。




私の学校に行きたい?




不良や、バカ丸出しな奴らばかりの学校に行きたい?




お嬢様の、潤ちゃんが?




キューティーガール潤ちゃんが?




「ぜっっっっっったいダメです!!」