ブォンブォン




静かな夜にバイクのマフラー音が響く。




風が心地いい。




バイクにも久しぶりに乗った気がする。




赤を基調としたバイクに、黒い薔薇の絵が描かれている。




私は猛スピードで夜の街をかけて行った。




数分後、倉庫に着いた私は、みんなのバイクが集まっているところにバイクを置く。




周りのバイクを見てみると、黒を基調とした薔薇の絵が施されたバイクが4台。




どうやら、最後は私らしい。




みんな、楽しみで早く来たのだろうか。




とりあえず、私も倉庫の中へと入る。




ガラガラガラ





シャッターが上がる音でみんなが、気づいたのだろう。




倉庫に入っていく私を見て、みんなが挨拶をする。




「「「「葉音さぁぁぁん‼︎会いたかったすーっ!」」」」




挨拶…?というか、泣きつかれてる?




「みんな、久しぶり!後で色々話聞かせてもらうから、とりあえず、幹部室までは通して?」




そう言うと、みんな声を合わせて返事をすると、綺麗に整列して私を通してくれた。




私は2階に上がり、幹部室へと向かう。




ドアを開けようとしたところで、勝手にドアが開く。




と思ったら、いきなり燈が飛び出してきて。




「あ!やっぱり、はーちゃんが来た!もう、遅いよ〜!」




入って入って、と言いながら、燈が私の腕を引っ張る。




幹部室は大きなテーブルが真ん中にあって、3人用のソファが二つ、真ん中の奥には私が座る椅子が一つ。




私は燈によってそこへ座らされる。




ここは私たちBlackQueenの拠点。




私たちはレディースをやっている。




総長は私、副総長は仲葉、幹部が他の3人。




メンバーは大体100人。




それを知っているのは、メンバーだけで、回りの人達は何も知らない。




拠点も幹部も人数も、いくら調べても出てこない。




全てを私達は隠している。




素顔なんか知れたら、いつどこで襲われるか分からない。




勿論、そこら辺の男に負けるようなやわな私達ではないけれど。




薬などで、眠らせられたらどうすることもできない。




半年前がそうだったから…




私達が黒き女王として動く時は、フードを深く被っていく。




決して素顔を見せることなかれ。




代々守られてきた掟。




一度、私達5人は破ってしまったのだけれど…