「なんだか、彼らとだんだん仲良くなってしまいましたわね」




その日の放課後、みんなで帰っていると優奈が頬に手を当て、少し困り顔でそう言った。




「いつの間にか、友達みたいになってるよな〜」




春実が上を見ながら話す。




「悪い奴らじゃないから、余計拒めないんだよな〜」




「気に食わない奴が2人ほどいるけどね」




私が嫌味ったらしく言う。




「あの2人には少し気をつけた方がいいかもしれませんね。感が鋭そうですし」




「私たちの正体を知られたら、危険に遭うのはあの人達よ」




仲葉が警告する。




一番彼らと関わっていないのは仲葉で、今まで咎めはしなかったけれど、思うところがあるのだろう。




「…気をつけます」




私がそう言うと、仲葉は鞄から本を取り出し、読み出した。




ほんと、歩きながらよく読めるわね。




「そういえば、燈たち一週間ぐらい倉庫行ってないけど、今日はどうする?」




人差し指を顎に当て首を傾げるその動作に、私はキュンとする。




「じゃあ、久しぶりに行こうか」




そう言って、燈の頭を撫でると、燈が嬉しそうにうん!と頷いた。




しばらく歩くと、公園に着く。




「それじゃ、一旦解散で、23時に倉庫集合ね!」




私がそう言うと、各々の帰路についた。