犬のお巡りさん

「くしゅんっ!」


...ちょっと寒い...かも

辺りはもう真っ暗で、この場には私とお巡りさんしかいなかった。

くしゃみをした私にお巡りさんは自分の上着を脱いで渡してくれた。

お巡りさんだって薄着なのに...

私...迷惑かけてばっかり...

「ひっく...ありがとうございます...」

『外はもう冷えるから、説教は交番ついてからだ。』

お説教...。


怒られるのに、まだお巡りさんと一緒にいられると思うと、不謹慎にも少し嬉しくなる。



『ほら。』

え...?涙で霞む視界の中、お巡りさんの大きな手が私に向かっている。


つなげってコトなの...かな?
えっ?!どーしよう?!

するとお巡りさんは混乱している私の手を掴んで...

『行くぞ。』

ドキッ




さっきの人達に触られたときは嫌悪しか感じなかったのにお巡りさんは全然違う...

なんだかくすぐったくて心が温かくなる。



「私、お巡りさんが好き...」
小さな声で言った初めての告白。

聞こえてた....よね?


交番につくまで、私の心臓はドキドキうるさかった。