もう一度。



「ねぇ、名前教えてよ」

「えっ?嫌です」

「何でだよーあ、怒らせたから?」


家に帰れないから
近くにある公園のベンチに座っていた
同然、おまけの彼も一緒に。


「教えたら帰ってくれます?」

「えーそれは無いだろ~
俺、帰るところ無いんだってば」

「色んな女の人の家に泊まってたんなら
連絡して誰かの所行けば良いじゃない」


意地悪く言う私に彼は黙って見てきた。
しばらくの間、沈黙。

私、何か変な事言った?


「そう言うけど…俺は
気に入った子しかもう一度は無いの」


真剣な顔でそう言い放った。