__コポコポ……っと水の中にいる。
息苦しくなった私は急いで水面へ向け上へと泳ぐ。



水面へ上がれば、川でそのそばの岸には
中学生くらいの一人の女の子、落ちる前の…私。

ああ、またこの夢か。私はため息をついた。

「アーヤナ!」

不意に幼い私へ近寄ってきたのは、
ワンコみたいな男の子、星輝(セラ)。

彼は声をかければ"家へ帰ろう?"と
手を差し伸べた。

「……うん、いいよ」

照れ隠しに俯き、手を握る幼い私は
すごく初々しいな、と思った。
そのままふたりは歩いて坂を登ってゆく。
私も岸へ上がれば二人について行く。

「それでさ……今日先生がな?」

「え~、それ星輝が馬鹿なだけじゃん!」

普通に話し、普通に歩き、何も問題は無い。
楽しいばかりの時を過ごす目の前のふたりが
私は自分の夢だとわかりながらも
少し憎らしく、少し羨ましかった。


……だけど、"今はこの夢を見ないといけない"。
"星輝にあえるのはここだけだから"
私は道を確認しながらふたりを見ていた。


そしてちょうど、角を通りかかった時だ。
私の横を"ナニカ"が通った。


それは私を変えた、否私たちを変えたナニカ。


















ドンッ!!!