屋上のキミ。


キーンコーンカーンコーンーーー

気付いたら授業が終わっていた。

「葵!今日ゲーセンに寄って帰ろって話してたんだけど、どーよ?」

幼馴染の結斗とはだいたいいつも一緒に帰っていた。
今日もそのつもりでいたけど、
ふと凛の姿が頭をよぎった。

「あーごめん、僕今日よるところあるから!また今度!」
「おーそかそか。全然いいけど、お前が断るなんて…」

結斗はニヤニヤしていて、
言いそうなことはだいたい分かった。

「女か?!ついに葵にも女の影が?!」

予想的中。
あいつの声のでかさのせいで一瞬教室がざわめいた。

「んなわけないだろ。んじゃ、急いでるからまたな!」

そう言って教室を出た

「おい、葵怪しくね?!」
「ちょい、ついてってみようぜ!」
「いいね!急げ!」

そんな会話を結斗が遮った

「ダーメ。葵の秘密を知れるのは俺だけだぞー!それより、はやくゲーセン行こっ!」

結斗はチャラチャラしてるけど
なんだかんだいつもこうやって葵を守るし、周りのみんなも結局2人の仲の良さにはかなわなかった。
社交的で明るく顔を並み以上にカッコいい結斗。
みんなといるのも好きだけど割と落ち着いた性格で顔も普通にカッコいい葵。

今となっては黄色い歓声こそあげられることはなくなったけど
視線が集まる。そんな2人だ。