仕立ての良いスーツで現れた裕哉の姿は、颯爽という言葉がとても似合っている。
容姿によく似合う爽やかな声で裕哉が声をかけてきた。
「あれ? 井波さん、今日は朝から疲れた顔をしている。目の下とか酷いけど、どうしたの?」
(だからデリカシー!!)
みなさんの前で疲れた顔やら目の下酷いとか、やめていただけますか!?
一応嫁入り前のお年頃なのですから、その辺りは気を遣っていただきたかった。
まあ、邪気のないところが本来の裕哉の姿だから、このあっけらかんとした物言いも仕方ないのだろうと納得をする。
手早く諸岡さんから今日の予定を打ち合わせた裕哉が、私を呼んだ。
「井波さん、ちょっと部屋へ来てくれる?」
「はい、すぐに」
裕哉に呼ばれた私は、彼に続いて社長室に入る。
扉を閉めた途端、裕哉が私を抱きしめた。
「なっ!? ゆ、裕ちゃん!?」
何がどうなって会社で抱きしめられているだろうか。
脳内がパニックを起こして硬直したままその場に立ち尽くす。
「海音ちゃん、本当に疲れているようだし、僕は心配だ。やっぱり僕の部屋に帰っておいでよ」
耳元で囁く裕哉の声は、心底心配してくれている声だ。
容姿によく似合う爽やかな声で裕哉が声をかけてきた。
「あれ? 井波さん、今日は朝から疲れた顔をしている。目の下とか酷いけど、どうしたの?」
(だからデリカシー!!)
みなさんの前で疲れた顔やら目の下酷いとか、やめていただけますか!?
一応嫁入り前のお年頃なのですから、その辺りは気を遣っていただきたかった。
まあ、邪気のないところが本来の裕哉の姿だから、このあっけらかんとした物言いも仕方ないのだろうと納得をする。
手早く諸岡さんから今日の予定を打ち合わせた裕哉が、私を呼んだ。
「井波さん、ちょっと部屋へ来てくれる?」
「はい、すぐに」
裕哉に呼ばれた私は、彼に続いて社長室に入る。
扉を閉めた途端、裕哉が私を抱きしめた。
「なっ!? ゆ、裕ちゃん!?」
何がどうなって会社で抱きしめられているだろうか。
脳内がパニックを起こして硬直したままその場に立ち尽くす。
「海音ちゃん、本当に疲れているようだし、僕は心配だ。やっぱり僕の部屋に帰っておいでよ」
耳元で囁く裕哉の声は、心底心配してくれている声だ。

