(これは奴隷宣言?)
一生この人に縛られろと?
あの部屋の片付けを、延々と一生行えと?
裕哉が誰かと結婚したとしても、私は家政婦として共白髪を迎えよと?
「で…………」
呆れ果てた私の口からこぼれたのは、言葉の欠片。すぐに裕哉は私の顔をのぞき込む。
「ん? なあに、海音ちゃん?」
「できるかぁぁぁ!!!」
盛大に叫んだ。
(なあに? じゃないでしょう!!)
がばっと立ち上がった私は、まなじりを吊り上げて裕哉を見下ろす。
「ど、どうしたの?」
「どうしたのじゃない! どこまで私を利用するつもりなの! 裕ちゃんには感謝している。本当に困っている時に仕事を与えてくれて、部屋にも住まわせてくれた。神様だと思ったよ、恩人だよ。でもね、私にだって人権はあるでしょう? どうして裕ちゃんの家政婦を一生しなきゃいけないの!」
言い始めるといくらでも言葉が溢れてくる。裕哉が驚きの目で私を見上げているけれど、今は裕哉のことを慮っている余裕もない。
怒りがふつふつと湧き上がり、ついでに涙もせり上がる。
悔しいのだと思う。
こんなに軽い扱いを受けることが、頭では理解していても悔しくて涙が堪えきれない。

