では、同居でお願いします

「いきなりでごめん。僕は案外不器用なんだ」

(うん、すっごく知ってる)

思わず言いそうになったが、あまりにも裕哉の瞳が真剣だったので言葉には出せない。

だからきっと私は驚きの表情のまま裕哉を見つめているはずだ。

裕哉は軽く瞬きをして私の顔を凝視している。

「驚かせてるよね? いきなりこんなことを言い出して。僕もこんなにグイグイといくのは初めてで、どうしていいのか……いつだって受け身で、それされ上手くいかないことばかりで……まあ、とにかく、僕は海音ちゃんのことだけは諦められない。だから――」


――僕とこの先、一生一緒にいてくれないかな?


唐突に裕哉の口から飛び出した言葉に、私は目をしばたたく。


(…………は?)


しばらく沈黙を落とし、もう一度私は瞬きをして考える。


(…………は?)


この人が何を言っているのかワカリマセン。

何をどう繋げば、このキーワードが飛び出してきたのか、全く理解ができない。


裕哉の脳内はブラックボックスだ。
彼の思考は、舗装された道路ではなく、どうやら荒れに荒れたオフロードを走っているのだろう。

こめかみの辺りがキーンとなるほど頭痛がする。

アホな子どもをもった母親の気分だ。

そういえば小学生の頃、通学路の途中にある田んぼでオタマジャクシを山ほど捕まえ、容れ物がないからとランドセルにみっちり詰め込んで帰っていた男子がいたが、きっと彼の母親も、こんな頭痛を経験したことだろう。

同情する。