では、同居でお願いします

「前はね、私も働き始めたばかりで部屋が借りられなかったから致し方なくだったの。今はちゃんとお仕事もお給料もいただいているから、自立できているでしょ? 一緒に住む理由がないの」

「じゃあ、仕事辞めればいいよ」


「………………は?」


耳から入った音を脳が処理を拒む。

「だからさあ、仕事辞めたら一人で住めないから、僕と一緒に住めるでしょ?」

さもいいことを思いついたような無邪気な笑みを浮かべている裕哉に、私は思いきり突っ込んだ。

「…………でしょ? じゃないわ!!!」

へ? とビックリ顔になっている裕哉の頭の上にはてなマークが見えそうだ。


呆れ果てるとはこのことだ。


「あのさ、裕ちゃん、そんなに自分の世話をして欲しいの? 私は家政婦じゃないよ? そりゃ今の仕事は裕ちゃんからもらったものだし、それを奪うのも裕ちゃんの一存だよ。でも私なりに頑張って、裕ちゃんの足手まといにならないようにって、そうやってきたのに……どうせ役立たないから、私なんていなくなったって平気で、それよりも家事が大事なんでしょ。家事をやるために辞めさせたいんでしょう!」

言い募る内に、やるせない気持ちがあふれ出し、胸が詰まる。

自分なりに頑張って仕事をし、それなりに役立てているかなと思っていたのに、裕哉にとっては家事の方が大切で、秘書の私などいなくても平気なんだと、そう思えば目の前が暗くなる。


堪えきれずに涙がこぼれた。