では、同居でお願いします

いつか裕哉への想いが消え果てて、それから諸岡さんへの気持ちが変わるかもしれない。

その可能性がゼロだなんて、神様にもわからないだろう。

けれど、それを待たせるような酷いことなんてできないから、今は頭を下げるしかなかった。

黙って頭を下げ続ける私を、諸岡さんはおもむろに抱きしめた。

「すみません。あなたを困らせる気はなかったんです。あなたが社長のことを気にかけていることも承知で、それでもどうしても私の側にあなたが欲しかったのです。苦しめてしまってすみません。でも……どうか今だけ少し……こうさせてください」

「諸岡さん……」

心の奥から絞り出すような彼の声に、涙が浮かんでしまう。

安易に付き合うなどと言ってしまったから、今、彼をこんなにも苦しめてしまっている。


(ダメだなぁ、私)


結局、高校生の頃から成長していない。

誰かに頼ることばかり考えている。

あの頃は藤川が、退屈な日々から連れ出してくれると勝手に期待して自分を傷つけた。

今は諸岡さんを傷つけてしまっている。

裕哉の幸せのためだなんて言い訳をして、自分の気持ちを自分で処理することを避けた。


ごめんさない、ごめんなさいとたくさん謝る。


諸岡さんに抱きしめられながら、私は涙をぽろぽろと零す。


胸が痛い。


諸岡さんの気持ちに応えられなくてごめんなさい。

安易に返事をして苦しめてごめんなさい。


いくら謝っても足りなくて、私は泣きながら途方にくれた。