では、同居でお願いします

「このお話をお受けするのは――」

「待って下さい」

途中で遮られ、私の言葉は宙に浮く。

「今ここで答えを出さないでください」

「え?」

驚く私とは対照的に、諸岡さんは痛みを堪えるような表情で瞼を伏せる。

「わかっているんです……。自分でも急ぎすぎたと。ただ社長のことを助けたい思いと同時に、私にとっての千載一遇のチャンスだと急ぎすぎました。井波さんにとっては急な話でした。すみません。あの……時間をかけてもいいので、お付き合いいただくことを考えてはいただけませんでしょうか」

確かに急展開でついていけていなことばかりだった。

最初は諸岡さんとのことも納得したつもりだったけれど、やっぱり心が納得していないことを、諸岡さんが私を好きだという想いも、もう知ってしまったから、私の気持ちは変わりようがない。

諸岡さんのことは憧れに近い。好きな人でもあるけれど、裕哉への想いとは全く違っている。


(ごめんなさい……諸岡さん、ごめんなさい)


謝るしかない。